フリマアプリ「メルカリ」を展開するメルカリが、子会社のメルペイを通じてスマホ決済サービス「Origami Pay」を提供しているOrigamiを買収することを発表しました。
当社子会社による株式会社Origamiの株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ
買収発表翌日の株価は5%前後の下落でスタートしましたので、市場からはネガティブと捉えられたようですね。
メルカリ株に関しては、長期で保有を続けるつもりですので、短期的な落ち込みについては特に気にしていませんし、上場時に500億円以上の資金調達を行っていますので、資金繰りも問題ないだろうと思いつつ、公表されている財務諸表を改めて見てみました。
メルカリの状況
メルカリは、2016年の上場以降、赤字の拡大が続いていて、株価は下落の一途を辿っています。
2020年6月期の第1四半期(2019年7~9月)は、70億円の営業損失を計上していますが、 足を引っ張っているのは、メルペイ事業とアメリカのメルカリ事業。
国内のメルカリ事業は21億円の黒字なので、90億円の大きな赤字と推計されます。
また、2019年6月期の有価証券報告書によれば、メルカリの連結従業員数は1,826人、メルカリ本体の平均年間給与は712万円。
子会社の平均年間給与も本体と同水準だとすると、給与だけで年130億円、法定福利費などの関連費用も加味すれば、人件費の負担が相当重そうです。
メルカリは、「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」という ミッションを掲げています。
世界に伍していくためには、優秀な人材の確保が必要だというのは理解できますが、株主の立場としては、資金繰りは大丈夫なのだろうか、と心配になります。
2019年9月末時点の現預金は1,379億円と潤沢ではあるものの、 借入金が500億円、預り金が530億円ありますので、それほど余裕があるようには見えないというのが感想です。
まとめ
Ebayやヤフオクなどを通じて30年近く個人売買を続けてきた自分にとっては、メルカリの手軽さ、使い勝手のよさは衝撃的でした。
PayPayフリマなど新しい競合のサービスも登場していますが、先日のカンブリア宮殿の放送でメルカリ創業者の山田氏が話していたように、ちょっとしたところでの使い勝手は、まだまだメルカリに一日の長があると感じます。
また、メルペイも乱立するスマホ決済サービスの中で、売上金を決済に利用できたり、Suicaにチャージできるなど、ユニークな存在です。
ユーザに寄り沿ったよいサービスを提供してくれる企業だと思うので、期待していますが、短期での黒字化は難しそうですね。
もっと先を見据えているのでしょうから、我慢強くホールドしていくつもりです。
間違ってもソフトバンクや楽天には買収されないようにしていただきたいですね。
取得年 | 2019年 |
株価(1/23終値) | 1,999円 |
取得単価 | 2,245円 |
株数 | 300株 |
評価損益 | -73,800円 (-10.95%) |
損出しクロスを2回していて、累計損失は384,732円です。
おまけ:Origamiの状況
リリースによると、Origamiの2018年12月期は、222百万円の売上高に対して2,544百万円の経常損失と大幅な赤字。
Origami Payは2016年にサービス提供を開始。スマホ決済サービスとしては草分け的存在ですが、PayPayを始めとした大手が一斉にスマホ決済サービスに参入し、大規模なキャンペーンを展開したのは想定外だったのかもしれません。
MMD研究所の調査によれば、Origami Payの利用経験率は4.7%と低迷していたようで、2019年12月期も厳しい状況だったのではないかと思われます。
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