この記事では、待機資金の運用方法として実践中の「FXスワップポイントサヤ取り」を紹介します。
FXスワップポイントサヤ取りは、低リスクでありながら3〜7%となかなかの利回りを期待できます。
といった方におすすめできる手法で、FX初心者の方でも再現性が高い運用ができると思います。
FXの裁量トレードで思うように利益を上げることができなかった私でも、FXスワップポイントサヤ取りに関しては、着実に利益の積み上げができています。
スワップポイントサヤ取りを始めたのは2018年5月ですが、最近数ヶ月の利益は月5万円前後、累計利益は200万円ほどになっています。
FXスワップポイントサヤ取りの実績
スワップポイントサヤ取りを始めてからの月別の利益推移をまとめました。
色々な通貨ペアで行ってきましたが、最近は南アフリカランド/円のみで運用しています。
スワップポイントサヤ取りは、FX各社が付与するスワップポイントの歪みに着目した運用方法です。
スワップポイントは変動しますが、その時々で有利な通貨ペアに柔軟に乗換ができるのもスワップポイントサヤ取りのよいところです。
スワップポイント
ポジションを翌営業日まで繰り延べ(ロールオーバー)することにより付与される通貨間の金利差調整額のこと。
FXスワップポイントサヤ取りとは?
スワップポイントサヤ取りには、同一業者異通貨ペアと異業者同一通貨ペアの2種類があります。
同一業者異通貨ペアのスワップポイントサヤ取り
1つのFX業者の口座で、異なる通貨ペアでスワップポイントサヤ取りを行う手法です。
値動きが似ている通貨ペア、例えば、ポーランドズロチ/円とユーロ/円で、買いと売りのポジションをそれぞれ立てます。
相関性が高いとは言え、同一通貨ペアではありませんので、この手法では、値動きによる為替差益・差損が発生します。
異業者同一通貨ペアのスワップポイントサヤ取り
2つのFX業者の口座で、同一通貨ペアのスワップポイントサヤ取りを行う手法です。
同一通貨ペアで、買いと売りのポジションを立てますので、為替の変動による差損益が生じないのが特徴です。
買スワップ | 売スワップ | |
A社 | 150 | -250 |
B社 | 100 | -100 |
上の表の例では、A社で買いポジションを、B社で売りポジションを立てると、買150円、売-100円のスワップポイントが付与されますから、差引50円が利益になります。
ここから先は、異業者同一通貨ペアのスワップポイントのサヤ取りに絞って説明を進めていきます。
FXスワップポイントサヤ取りのメリット
スワップポイントのサヤ取りのメリットについて見ていきます。4点あります。
為替の変動による差損が生じない
同一通貨ペアを両建てしますので、値動きによる差損は発生しません。
スワップ投資だと含み損を抱えることがありますが、スワップポイントサヤ取りでは、その心配がありません。
相場観が必要ない
同じタイミングで両建てを行いますので、値上がり局面なのか値下がり局面なのかを気にする必要がありません。
ポジションを立てる時も、ポジションを解消する時も同様です。
資金の拘束が緩い
スワップポイントサヤ取りは、ポジションを作って利益が出始めるまでの期間が短いため、好きな時にポジションを解消して現金化することができます。
スプレッド(手数料)の回収日数は、通貨ペアやスワップポイントの差によって異なりますが、3日〜30日程度です。
手間いらず
仕組を理解してしまえば、スワップポイントの変動有無と急激な値動きが起きていないか確認するぐらいで時間を取られません。
FX各社から提供されているスマホアプリを使えば、出先からでも簡単に確認できます。
FXスワップポイントサヤ取りの注意点
初心者の方でも安定した利益が期待できるスワップポイントのサヤ取りですが、レバレッジをかけるFX取引であることには変わりありません。
以下では、注意すべき5点について説明していきます。
資金に余裕をもたせた運用をする
スワップポイントのサヤ取りでは、ポジションを立てる時の証拠金(資金)の額によって期待利回りが変わってきます。
投入する資金の量が少ないほど利回りがよくなりますが、レバレッジを上げすぎると少しの値動きで片方のポジションがロスカット(強制的なポジション決済)され、両建てが崩れて失敗となります。
適正なレバレッジの水準には、正解はなく、通貨ペアごとの値動きの幅によっても異なってきます。
高金利通貨である新興国通貨は値動きが激しく、時には暴落することもあります。
新興国通貨でスワップポイントのサヤ取りを行う時は、特に余裕をもたせたレバレッジで運用を行う必要があるでしょう。
レバレッジ
FX業者が通貨ペアごとに提示している必要証拠金でポジションをもつと、レバレッジは25倍、証拠金維持率は100%です。
レバレッジを5倍にしたい場合、必要証拠金の5倍の資金を入れればよいということです。
南アフリカランド/円では最大5倍を目安にしています。以前8倍で運用していて痛い目にあったことがあり。。
スワップポイント差の縮小、逆ザヤ
スワップポイントは、金利差やFX業者の思惑などを反映して変動します。
結果として、スワップ差が縮小することはよくありますし、逆ザヤになってしまう可能性もゼロではありません。
定期的にスワップポイントを確認するようにすれば、その変動が許容できるレベルなのか、ポジションを解消すべきなのか、判断する余裕が出ます。
私は毎朝、スワップポイントが更新されるタイミングで確認しています。
スワップポイントの付与スケジュールを確認する
FX業者によってスワップポイントの付与スケジュールが異なる場合があります。
市場が休場になる土日の分は水曜日にまとめて3日分が付与されるのが一般的で、スワップポイント3倍デーと呼んだりします。
ただし、中にはスワップポイント3倍デーを水曜日以外の曜日に設定しているFX業者もあります。
具体的に説明します。下のような付与スケジュールになっている場合、金曜日にポジションを作るとB社の売り(マイナス)スワップが先行することが分かります。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
A社:買 | 0 | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 | 0 |
B社:売 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0 |
水曜日には追いつくのですが、次の金曜日でまた売りスワップが先行となり(以後、この繰り返し)、ポジションの解消タイミングが限られてしまいます。
この例であれば、月〜水の間にポジションを立てるのが正解です。
祝日の時も変則的な付与スケジュールになるので、各社が提供しているスワップカレンダーを確認するようにしましょう。
年末年始やGWなど休場が続くとスワップポイントの付与日数が大きく変動するため、短期間でスワップポイントのサヤ取りを行う場合もあります。
注文は同時に行う
スワップポイントのサヤ取りは、差益を狙う手法ではありませんので、極力同時にポジションを立てるようにします。
これは、ポジションを解消する時も同様です。
色気を出して差益を取ろうとすると大抵失敗します。私だけかもしれませんが。。
注文を行うタイミング
注文を行う際は、流動性が下がる早朝の時間帯や市場取引の開始直後は避けた方がよいです。
通常時よりも大きくスプレッドが開いたり、思わぬ値動きにより意図した注文ができない可能性があるためです。
米国の雇用統計など主要統計の発表時も大きく値が動くので避けています。
FXスワップポイントサヤ取りに最適な通貨ペアを選ぶポイント
スワップポイントのサヤ取りに最適な通貨ペアは、その時々で変わります。
以下では、通貨ペアを選ぶ際の基本的な考え方と最適通貨ペアを紹介します。
スワップポイントの差
スワップポイントのサヤ取りは、買いスワップと売りスワップの差異に着目した手法ですので、スワップポイントの差が大きい通貨ペアがよいのは言うまでもありません。
ただし、スワップポイントの差が一時的なものである可能性があるので、過去数週間のスワップポイントの推移をポジションを立てる前に確認をしておきたいです。
FX業者によってスワップポイントの付け方は様々で、毎日変動するパターンもあれば、一定期間固定のパターンもあります。
また、特定の通貨ペアのスワップポイントがキャンペーンで高くなっている場合もあります。
スプレッドの小ささ
スプレッドが大きい通貨ペアでは、利益が乗り始めるまで時間がかかります。
スワップポイントの差だけではなく、スプレッドの回収日数も考慮に入れて、通貨ペアを選ぶようにしましょう。
米ドル/円などの主要通貨はスプレッドが狭く、トルコリラ/円などの新興国通貨はスプレッドが大きい傾向です。
値動きの幅
通貨ペアの値動きの幅は、資金量を決める際の重要なポイントです。
値動きが粗い通貨ペアでは、ロスカットを避けるために多めに資金を手当する必要があるため、スワップポイントの差が大きくても、利回りが低くなってしまうことがあります。
最適通貨ペアは南アフリカランド/円
2020年2月現在、スワップポイントのサヤ取りに最適な通貨ペアは、南アフリカランド/円になると考えています。
その理由としては、①過去1年以上スワップポイントの差が10万通貨当たり30円〜60円で推移していて安定感があること、②以前よりもスプレッドが縮小して回収日数が短縮されたことが挙げられます。
スプレッドの回収に45日〜60日かかっていましたが、現在は30日前後となり、取り組みやすくなりました。
FXスワップポイントのサヤ取りに最適なFX業者
スワップポイントのサヤ取りを行う際は、対象となる通貨ペアの買いスワップが大きいFX業者と売りスワップが小さいFX業者を選ぶ必要があります。
以下では、スワップポイントのサヤ取りに私が利用中のFX業者を紹介します。
買いポジション用におすすめの口座
JASDAQ上場のヒロセ通商が運営しており、オリコンの顧客満足度調査では、FX取引5年連続1位。
南アフリカランド/円の買いスワップは、業界最高水準の150円(10万通貨当たり)。2017年8月から継続中で、この安定性は驚異的です。
南アフリカランド/円のスプレッドも業界最狭水準の固定0.9銭(例外あり)。
取扱い通貨は50通貨ペアと豊富で、1,000通貨から取引可能です。
キャンペーンも豊富です。キャッシュバックだけでなく、カレーなどの食品がもらえるユニークなキャンペーンが随時開催されています。
JASDAQ上場のトレイダーズホールディングス傘下のトレイダーズ証券が運営。
FXサービスとして後発のLIGHT FX。サービス開始当初は、同社が別ブランドで運営しているみんなのFXと同スペックでしたが、最近はスワップポイントの額に違いを出し、独自性が出てきました。
高金利通貨のスワップポイントが業界最高水準。特に南アフリカランド/円は、キャンペーン中で151円(10万通貨当たり)とヒロセ通商を上回っています。
南アフリカランド/円のスプレッドも業界最狭水準の固定0.9銭(例外あり)。
1,000通貨から取引可能です。
売りポジション用におすすめの口座
JASDAQ上場のGMOフィナンシャルホールディングスが運営。FX取引高7年連続世界第一位。
スワップポイントが低めなので、売りポジション用に欠かせない口座です。
南アフリカランド/円のスプレッドは業界最狭水準の原則固定の1.0銭(例外あり)。
取引通貨単位は10,000通貨です。
DMM.com証券はFX口座数『国内第1位』(2018年1月末時点)。
こちらもスワップポイントが低めなので、売りポジション用に欠かせない口座と言えるでしょう。
南アフリカランド/円のスプレッドは業界最狭水準の原則固定の1.0銭(例外あり)。
取引は10,000通貨単位。1,000通貨で取引をしたい場合は、同じくDMM.com証券が運営する外為ジャパンで口座を作るとよいと思います。
取引通貨単位以外は、DMM FXと同じスペックです。
まとめ
スワップポイントのサヤ取りは、ここまで説明したFX取引の特徴を踏まえて、安全に運用を行えば、失敗する可能性は低くなります。
小さな利益をコツコツと積み上げていく手法ですので、くれぐれも安全運転で進めることをオススメします。
最後に改めてポイントをまとめておきます。
スワップポイントのサヤ取りは、両建てでポジションを持つので複雑な取引に見えるかもしれませんが、慣れると誰でも簡単に利益を上げることができます。
「習うより慣れろ」で、まずは小さなポジションから試してみてはいかがでしょうか?
▼スワップポイントサヤ取りの月次損益は他の不労所得とあわせて下記の記事にまとめています。
▼2019年度の不労所得をまとめた記事です。
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